for 1994 ALL JA
4. オペレータの技術 [応用]
| 4.1 呼びにまわる方法 |
| ダイヤルをまわす向きは,音がどんどん低くなっていく方向にします。 逆にすると, いったん通りすぎてからダイヤルを戻すことになりやすいからです。 このことを考え たうえで,ダイヤルをコンテスト周波数のはじにあわせます。 具体的には,電話では3.5,7MHzはLSB だから,上端の周波数にあわせ, 14MHz以上はUSBだから,下端の周波数にあわせてやります。電信では無線機に よって違います。 調整が必要な無線機器の場合,周波数を大幅に変えたときは再調整が必要になります。 これは微調整ですむでしょう。メーター類をみながら,不足しているようなら 調整しなおします。 ここでは21MHzのSSBを例にとって説明します。これはバンドが 非常に混雑している場合には あわない方法です。まず,メモにする用紙と, 重複チェック, マルチチェックの各シートを見やすい位置にならべてください。 まず,21350.0kHzにダイヤルをあわせます。 そこから 350.1,350.2,と 100Hz単位でゆっくり 受信していきます。なれていない人ほど, ゆっくり回す ことが重要です。先輩の運用を見ならって 速くまわすと,何もみつからなくなってしまいます。 もし上手な人の運用を見る 機会があるなら, よく観察すると,重要なところでは本当にゆっくりまわすのを 見ることができるはずです。 何か聞こえたら,周波数をあわせながらも内容を聞き取りましょう。 このとき, ダイヤルをもどしてあわせる場合と,先に進める場合とがあるわけですが, 後者の 場合,交信完了後,ダイヤルを少しもどして受信を再開しましょう。 ある程度の局数が聞こえているなら,何も聞こえない周波数は, 何かがいるから あいているのだ, と考えるべきです。何か聞こえている周波数では, 裏に何かい ると思いましょう。 強い局の すぐとなりに弱い局が隠れているかもしれません。これがまだとっていない マルチだったら 逃す手はありません。強い局のCQのすきをねらって確認します。 特に コンテスト後半,やりつくした感じがすることがあります。こうなってきたら, 呼びに回って今まで無視していた弱い局をじっくりひろっていきましょう。 これ で北海道などのマルチがぐんとのびてきます。 ここが熟練者と初心者の大きな違いです。 熟練者は裏で聞こえている局の発見が上手ですし, いったん発見すると,よく聞 こえなくても 交信を完了させてしまいます。初心者は,ゆっくり聞いても 何もわ からないことも多いようですが, なれれば聞こえるようになってきます。 具体的には次のようになります。 21350.1kHzにJA7YAA(東北大)がいます。 重複チェックをみて,未交信なら 交信します。 メモ用紙に周波数と局名を書いておきましょう。 353.6にJA1YXP(芝浦工大) がいます。これはもう交信済みのようです。 YAAとYXPの間は,周波数が結構離 れているから, 間にもう一局いるのかもしれない,と注意します。 358.5にJA1YFG(千葉大) がいます。 一生懸命呼んだが,届きません。 メモ用紙に丸をつけておき,また あとで呼んでみることにします。 周波数がYXPとYFGの間が空きすぎていることも留意します。 360に到着したら, また350にもどりましょう。 356にJA2YKA(名古屋大)がいます。だから空いて いたのですね。 裏でなんか弱いのがいます。 一生懸命聞くと,JH8YCT(札幌学院大)も出ています。 再び358.5に到着。もう一度JA1YFGを呼んでみる。 交信できたら,メモでさっ き丸をつけたところを横線を引いて消し, できなかったら,そのまま丸をつけたままにします。 360に2回目の到着です。 これで350 〜 360の間でできることをすべてできたようなら, 360 〜 370にいきましょう。 以上の方法は,SSBでは基本的なものです。 経験をつめば もっと効率的に回れるようになります。 これでバンドの反対側のはじに到着したら, メモをたよりにして,交信できなかった局との交信をしましょう。 もしもう一度 呼びに回るのなら, 上の方法を,メモをたよりに高速に行うことができます。 非常に混んでいる場合,例えば7MHzのSSB では, だいたい1kHzごとに並んでいますから,それを目安にゆっくり 順番に聞 いていきましょう。 7080kHzからゆっくりおりていきます。 7079.5にJA1YXP がいました。これを聞き,交信するかどうか判定しながら, 次の局を認識して おきます。 ダイヤルを少しずつ左に回してその局を受信します。 まわしている あいている周波数があれば,多分だれかいるので少し待ちます。 本当にあいてい るなら,そこでCQを出してもいいでしょう。 CWでは,すいているなら5kHzおきに 最初のと同じ方法で聞いてみます。 局数が多ければ完全にメモしながらゆっくり順番に 全体を聞いてまわる方法をと るのがいいでしょう。 混信の陰に別な局がいる,というのは電信ではあまりない ので, ゆっくりまわしていき,何か聞こえたら交信するかどうか判断します。 再びダイヤルを少しまわして,前の局が聞こえなくなってきたところから何か いないかじっくり調べましょう。 CWでも,28・50MHzのように非常にすいているときは, CWフィルタをワイドにして 聞けばいくらか速いでしょう。 見つけたらナローにします。 ワイドのまま呼ぶと, 周波数がずれていることが多いので,注意してください。 ここで注意をしておくと, CWを受信する前に必ず無線機をCWモードにしてください。 これを忘れてSSBで受信していると, 機械によってはCWに切り替えると受信音が変 わるので, 微弱な場合や混信がある場合,見失ってしまう可能性が高いのです。 |
| 4.2 さらに高度な方法 |
| 何回か呼んでも取れない局に,何分くら いまでなら時間をかけてもいいのでしょう。 まず,暇な場合は,何分か時間をかけてよいでしょう。 マルチにならない局は, それほど重要ではありません。 コンテスト前半では2分以上かけるべきではあり ません。 後半では,やりつくした感じのあるときはもう少しかけてもよいでしょう。 すぐには無理そうなときは, 5〜10分くらい他の周波数をみてきてからもう一度呼ぶと いいでしょう。 マルチ重視のコンテストでは, マルチになる局は, それが交信が難しいマルチなら, 時間をかける価値は十分あります。 例えば,ALL JAで結果が2000局250マルチである場合, 1つ新しいマルチをとると,約2250点ふえることになります。 マルチにならない 局だけでこの点数をとるには, 9局交信しなくてはなりません。 さらに,今この 9局と交信できなくとも, あとでそのうち少なくとも2 〜 3局はあとで交信できるでしょう。 すると, 10分程度はかけてもいい計算になります。 小笠原や南鳥島の場合,非常に厳し いかもしれません。 このときはアンテナを向けて思いっきり呼んでみましょう。 交信終了後はアン テナの方角を戻すことを絶対に忘れないでください。 北海道などは,14MHz以上 ではたいがい直接交信できず, スキャッタによる交信となり,アンテナは南南西が中心になります。 マルチチ ェックは,だいぶ埋まってきたら, まだのところを頭にたたき込みます。 ま だのところが残っているのは何エリアか注意し, そのエリアがいたら必死にくらいついて交信します。 逆に,九州が全部終わっ ているなら, 6エリアらしいが微弱でわからない,というような場合, 暇でな ければ飛ばしてもいいわけです。 重複チェックも,運用しながらながめます。 競争相手の動向をチェックするほ か, 有名局が交信できているかどうかを見ます。 熟練すると,バンドチェンジ のとき,記憶もいれかわるようになります。 また,OBその他と交信できているかどうかも見ておくとよいでしょう。 JA7FWR,JA7RHJ,JA7YAA,JH7WKQ,JH1YHS,JO1FYC (= JA7FWT), JP6JKK (= JA7DLE)は覚えておきましょう。 |
| 4.2.1 聞こえない局を呼ぶ |
| 何かの混信に隠れた局を発見すると,特にコンテスト後半, マルチを伸ばせるということを前に記しました。 コールサインを聞き取ら ないことには始まりません。 気合と,技術で時間をかけて聞き取ります。 混信が59なら,RF GAINをS=8程度に設定し, AF GAINを上げると耳は痛いものの, 聞き取りやすくなります。 コールサインを確認するほか,できればナンバーも 確認したいところです。 他の局が呼んだなら,そのナンバーが正しいかどうか聞いてください。 同じか違うかなら判断しやすいでしょう。 その局のCQの周期を測り,タイミングもつかんでおきます。 データがそろったら,タイミングをみて自分のコールサインを 送信しましょう。反応があれば,それが長いか短いかで,ただ聞き返されたのか, ナンバーを送ってきたか判断できます。 聞き返されたようならもう一度コールサインをさけびましょう。 ナンバーを送 ってきたようなら,例えば次のように送信します。 ``ジャパンアルファーセブ ンヤンキーアルファーフロリダ, 5903100,59岩手百ですどうぞ'' これで相手がわめいていないようなら, 交信完了です。 この交信相手は,混信が少ないからこの周波数に出てきたわけで, こちらが言っていることはほとんど届きます。 だからこの方法でも交信はでき るのです。 |
| 4.2.2 未交信の局が呼びにまわっているとき |
| 呼びにまわっているとき, 自分のまだ交信していないマルチの局が 呼びにまわっているのを見つけることが あります。 この局と交信するには, 待ちかまえるために近くの周波数でCQを出し てみるのが手ですが, 電信では高い周波数にするか,低い周波数にするかが問題です。 一か八かで決め てもいいのですが,ある程度の判断基準はあると思います。 以下はかなり高度な 知識を使ったものですが,こんな事も考えて コンテストをやっている人もいるという参考としてください。 ダイヤルのまわし 方で説明したことから, その局の受信機がUSBかLSBで受信しているかを判定すれば あたる確率は大きいわけです。 さらに,たいていの人は受信音を低くとるくせがあ ります。 すると,その局の周波数が高いなら (注意=自分の受信音が高いという 意味ではない), USB型の受信機を使っていますから, こちらはさらに高い周波数でCQを出せばいい のです。 結局自分の機械のCWがUSB型なら, 自分での受信音が(CQを出している 局より)低ければ右にまわせばいいのです。 また,その局の受信音から,無線機のメーカーがある程度わかり, 判断の補足に なることもあります。 |
| 4.2.3 効率を上げる |
| 呼びにまわるときは, 1時間に60局をこなすペースが理想です。 端から順序良く受信するのはもちろん, ダイヤルをまわしながらも受信し, 一回でも早く交信できるようにします。 交信が終了したら,相手が「ありがと うございました」を言っている間に ダイヤルをまわしはじめます。相手が 「ありがとうご,あっ,すみませんナンバーもう一度」と言った場合は, ダイヤルをもどして送ることになります。 呼んでみたが,他の局に応答があった場合,時間がかかりそうなら (お互いの送信の仕方で判断がつく),次の局のコールサインを聞いておいたり, 先に交信するのも手です。 前回呼びに回ったときに使ったリストが使える場合は, コールサインを最後まで聞かなくても同じ局かどうかは判断できます。 できれば,有名局のコールサインを覚えておけば,かなり判断できます。 例えば安定した信号でJH7Wときたら,JH7WKQでしょうから, ダイヤルを 回しはじめます。CWの打ち方ですぐわかる人もいます。 少しでも早く判断を下せるようになると有利です。 |
| 4.2.4 CWで,呼んでも応答がない場合 |
| こちらが正確にダイヤルを合わせないと相手に聞こえないことがあります。 このあわせ方はマスターしておいてください。 ナローフィルタを使っている場合, ダイヤルを左右に回し, 相手が聞こえる範囲で真ん中にあわせればまず大丈夫です。 しかし,相手の無線機かこちらの無線機が, 送信と受信の周波数関係が狂っていても, 同様な現象が起きます。 従って,応答がない場合は,ダイヤルを200Hzほどずらし て呼んでみます。 それで応答がなければ,反対側に200Hzずらして呼んでください。 |
|
4.3 CQを続けるべきか呼びにまわるべきか |
|
コンテストに出てくる局は入れ替わるものです。 7MHzだと電信50局,電話40局でいっぱいになりますし, 21MHzでも電信80局 電話70局程度でしょう。 これと全部交信してもたったの100程度です。 一方コンテスト参加者は2000局以上ですから, こちらからCQをどん どん出して呼んでもらわなければなりません。 呼びにまわるのは次のような時です。
|
[ index ]
![]()