contest manual for 1994 ALL JA

2. 電波の伝わり方とコンディションの把握

電波に関する知識 電波は電磁波の仲間で, 周波数の比較的低いものです。どんどん高くなると x線とか光とかになります。ですから,電波は真空中及び空気中では光と同じ秒速30万kmで進みます。

2.1 波長
144MHz帯のことを2メーターと呼びますが,これはバンドの呼び名に波長を 使っているのです。 7MHzは40メーターバンドです。電波は大きさが波長くらいのぼわっとした塊と思ってもいいでしょう。 例えば波長より狭いところは通れないし,波長より十分大きな障害物があると 反射や吸収が起こります。波長より十分小さい障害物の影響はあまりうけません。地上波 電波を遮るものがなければ直接通信ができます。 直接伝わる電波を直接波といい,地上と人工衛星のように数千km程度の距離であっても非常に強力に届きます。地球は丸いから遠くとは直接波では通信できません。 実際には,電波は少し下方に屈折するためもう少し遠くまで通信できます。電離層 地上大体100〜400kmあたりには電離層があり,低い方からD層,E層,F層と呼びます。電離層は伝播を吸収したり曲げたりする働きがあります。 この働きの度合いは 電離層の強さと電波の周波数によって決まります。電波は周波数が低いほど電離層の影響を大きく受けます。430MHzくらいに高くなると電離層を突き抜けてしまいます。

2.2 コンディション変化の具体例
2.2.1 3.5MHz
遠くと通信するには電波は水平方向に飛ばさなくてはならないのですが, そうすると昼間はF層の吸収が大きくなります。従って200〜300km以内しか交信できません。夜はE層は消えますが,F層反射も吸収が大きく,1000km程度です。 お互いにしっかりした設備がある場合1500km(盛岡〜鹿児島)は可能。沖縄になると相当微弱になります。夕方は通信可能距離が段々伸び,朝は短くなりますが, 通信可能な限界より少し近くの局が意外と強力で交信し易くなります。また例えば現在500kmが通信可能距離の時,北海道では道内と東北しか聞こえなくなるため, JA7YAFの電波は非常に目立ちたくさん呼んできます。どのバンドでもコンディションの変わり目はふつう交信しにくい局がねらえるので要注意です。
2.2.2 7MHz
7MHzは3.5MHzより吸収は少なくもう少し遠くが通信可能になります。昼間は500km,夜間1500kmくらい。しかし混信が多いため沖縄は困難です。冬や太陽黒点数が少ない時期(93〜98年)は春秋でも深夜F層が弱まって7MHzが反射されにくくなり,遠くとしか通信できなくなります。普通は遠くは関東の混信で交信しにくいから,この現象が起こったときに西日本とたくさん交信することが出来ます。

2.3 スポラディックE層(Eスポ)
電離層のプラズマは実際には雲のように発生消滅を繰り返しています。 雲の大きさは大きなものでは数十キロになり,従って実際の電離層には厚さや 密度にムラがあり穴もあります。E層は通常F層より密度が小さいが,たまにF層並みまたはそれ以上の密度の雲が発生します。この雲は短波を反射するほか,密度が異常に大きいとVHFの低い周波数も 反射してしまいます。この雲は時速数十〜百kmで移動し10分から2時間ほどで消えます。これをEスポと呼びます。Eスポが発生すると次のような状況になります。
[7MHz以下]
500km以内(つまり関東・東北)の信号が強力になる。 昼間はもともと近距離しか聞こえないのだから気づきにくい。夜間は西日本が聞こえなくなる。夜中に急に東日本ばかりになったら要注意。
[14〜28MHz]
予想されているより近くの距離が聞こえる。
[50MHz]
東北以外の局が聞こえてくる。Eスポができるとき,その影響は低い周波数から順に現れてきます。

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